Trailer

 

語られなかった声に、耳を澄ませてみたい。

父をいとおしむ気持ちを込めながら、

あの戦争の時代の「真実」を描くドキュメンタリーは可能だろうか・・・

 

父から子へ、そして孫へ・・・

“いまはむかし、むかしはいま”

 


ヒューマンドキュメンタリー映画

『いまはむかし  父・ジャワ・幻のフィルム

2021年/カラー/1時間28分 伊勢真一 演出作品 製作・配給 いせフィルム 

キネマ旬報文化映画ベストテン 3位 

 

アムステルダム・ドキュメンタリー国際映画祭(IDFA)2021

3部門ノミネート作品

[ルミナス部門][無意識のバイアス部門][映像資料の創造的活用部門]

[ルミナス部門]

逆境を乗り越えようと逞しく生きる人間に対して、深く寄り添った作品群。(本国以外で初上映となる最新作が対象)

 

[無意識のバイアス部門]

植民地時代の過去が現代にどのような印を残しつづけるのかを探る作品群。ドキュメンタリーの制作者が先陣を切って、過去をどう振り返るか、何が見えるかを探求する。(作品の新旧は問わない)

 

[映像資料の創造的活用部門]

 

アムステルダム・ドキュメンタリー国際映画祭

公式サイト)https://www.idfa.nl/en/

フェイスブック)https://fb.watch/8Ksq4Vt6eH/

 

Twitter)https://twitter.com/idfa/status/1450425754890670082

 

日本・インドネシア・オランダ ───

亡き父を想う旅で辿り着いた“戦争”の真実。

 

 戦時中、日本はアジア各地を占領し植民地解放を謳った。記録映画編集者・伊勢長之助(1912〜1973)は、「文化戦線」の一員としてインドネシアに渡り、大東亜共栄圏という名目でプロパガンダ映画を創った。長之助の長男・伊勢真一(ドキュメンタリー映像作家)は、父たちがどんな思いで国策映画を手がけたのかを知るために、30年程前から取材を始める。

 父の足跡と父たちが創った“幻のフィルム”の行方を追う長い旅。やがて、その旅に伊勢真一の長男・伊勢朋矢(ディレクター)、長女・伊勢佳世(俳優)も参加する。父から子へ、そして孫へ、時代の記憶が手渡されていく。

 オランダで発見されたその国策映画は、およそ130本。日本未公開の貴重なフィルムである(『隣組』『東亜のよい子供』『防衛義勇軍』『ロームシャ』『マラリア撲滅』等)。

 

 

語られなかった声に、耳を澄ませてみたい。

そうして、記憶に触れてみたい。

 

私が三才の頃、父は家を出た。ちょうどその頃の写真が手元にある。

私が父と写っている、たった一枚の写真。父は、遠くを見るような眼差しで、何かを考えている。幼い私は、ただじっとこちらを見ている。

「真一」という、ちょっと気恥ずかしい私の名前は、

戦時中、ジャワ(インドネシア)で国策映画を創っていた父が、

もう二度と戦争をしてはならない、という思いで名付けたもののような気がしている。

 

写真の中の幼い私が、じっと今の私を見つめている。

「いまは むかし むかしは いま」

記録というよりも、記憶。

語られなかったその声に、耳を澄ませてみたい。そうして、記憶に触れてみたい。

 

父をいとおしむ気持ちを込めながら、あの戦争の時代の「真実」を描くドキュメンタリーは可能だろうか・・・

 

(かんとく・伊勢真一)

出演:伊勢 長之助 伊勢 真一 伊勢 佳世 カディルマン ロシハン・アンワール ジャカルタの人々/題字:細谷 亮太/語り:伊勢 佳世/撮影:石倉 隆二 水野 宏重 伊勢 朋矢 内藤 雅行 世良 隆浩 康 宇 政/録音:田辺 公一/音響:渡辺 丈彦/編集:尾尻 弘一/テーマ曲:「ブンガワン・ソロ」/チェロ:菅原 雄大/コーディネーター:坂尾 康子/翻訳:髙地 薫/宣伝・デザイン:森岡 寛貴/デザインディレクター:遠藤 郁美/製作・上映デスク:相原 余至子 増馬 則子 今井 亜矢子 土元 愛/応援:西村 信子 斉藤 とも子 池岡 正康 嶋田 博・正子 高山 千弘 加藤 慶悟 岩永 正敏 守内 尚子 前田 至 髙内 優 篠塚 昌述 水野 裕子 金 聖雄 飯田 光代      藤崎 和喜 池田 蕗子 北林 和美    高橋 眞澄 野口 香織 田辺 司 照井 光夫  薩田 いずみ    波多野 ちわ子    磯谷 真理子   斉藤 早苗      加藤 博子 中島 直子    岡原 真弓      西田 知佳子      大野 登美子 河野 眞吾 世良 次男・泰子  加藤 且行  渡辺 哲也・純子 宮田 八郎・和子  奥田 春子    奥畑 充幸 山代 陽子  月本 一郎  永畑 雅人 小川 桂絲香  深田 耕一郎     五味淵 玲子 阿部 啓一     松本 侑壬子 「イノチのカマド番」の仲間達 いせフィルム横浜応援団/協力:倉沢 愛子 岡田 秀則 相良 次雄 小野 耕世 一隅社 シネマ サウンドワークス    JapanDocs     インドネシア国立映画製作所 インドネシア国立アーカイブ オランダ視聴覚研究所/資料協力:国立映画アーカイブ 東京国立近代美術館フィルムセンター 「海外に残存する戦前期の日本映画に関する調査研究(日本占領下インドネシア地域における映画製作)報告書」/映像協力:WOWOW テレコムスタッフ/企画製作:いせフィルム/演出:伊勢 真一

 


Now is the Past - My Father, Java & the Phantom Films

Trailer (English subtitled)

 

During WWII, Japan occupied many regions in Asia, claiming release from European colonialism. Chounosuke Ise, a Japanese film editor, created a variety of propaganda movies in Indonesia to rationalise Japan’s hegemony in Asia. The film ‘Now is the Past’ examines the journey of his son, Shin-ichi Ise, a Japanese documentary filmmaker, who started research 30 years ago while following his father’s path. Meanwhile, the senior Ise’s propaganda films, almost 130 of them, turned out to be preserved at the Netherlands Institute for Sound and Vision. The son has tried to see the truth of war in Indonesia by looking for the father’s work. 

 (2021/color/88minutes/JAPAN)

 

Documentary

Cast : Chonosuke Ise, Shin-ichi Ise, Kayo Ise, Kadirman,

Roshihan Anwar, People in Jakarta

Film Director : Shin-ichi Ise (ISE FILM Inc. E-Mail: ise-film@rio.odn.ne.jp )

Contact: Yumiko Horie ( yhorie@posse-nippon.com )

 

■[Trailers] ‘Now is the Past’ and other works of Shin-ichi Ise (English subtitled)
https://youtu.be/K97E23m0Bzg

Flyer

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英語版チラシ

インドネシア語版チラシ


Movie information